眼の良さ

武道、武術においてもっとも大切なことは「眼のよさ」だと私は考えている。
「眼のよさ」とは視力のことではなくて、観察眼や見取りにおける集中力のことである。
また、状況を把握する力でもある。


稽古というのはライブであり、生ものだ。
その場、その場で作られてゆき、すぐに区切りとして終わりが来る。
ただ、体を動かして、興味深かった、いい汗かいたで終わってしまうのはもったいない。


稽古というのは真剣勝負でもある。
自分の挙動、発言、気合が道場全体にどういう影響を与えるか、真剣に考える必要があると思う。
同じ稽古は繰り返さないという気概が必要だと思う。
結局のところ、技や自分の周りが見えていない人間はこれができない。
稽古を仕切っている人の意図を理解できない。
自分が道場に与えている影響を理解できない。


人の目は感覚として映像を取り込むけれども、脳で解釈しなくては認識できないということだ。