稽古を考え出す能力の必要性

おそらく武術などではマネをすることから稽古が始まると思います。
ただし、本人はマネていると思っても、実際にはまったく別の動きをしていることが往々にしてあると思います。
剣を振る動き、歩く動きにしても、素人と玄人では自らに課している動きの制限はまったく別物です。
このように表面的な動作を見るのみでは同じものを再現することはできないと思います。
どういう術理を用いて、どういう体の動かし方をすれば目の前のものを再現できるか体で理解しなくてはいけないということです。


頭ではなく体でという部分が重要です。
体で理解するにはどうしてもそれ相応の稽古量が必要です。
しかし、その稽古がまったく見当はずれであったとしたら、いつまでたってもできるようにはなりません。
最も大切なのは理想的な稽古を考え出せる能力ということです。
自分で稽古の方針や目的、効果をマネージメントする必要があるわけです。
これは本人が気付く以外に方法がありません。
気付いてからがおそらく本当の稽古です。