稽古に命をかける必要はない

http://www.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20070628i503.htm


先日、角界*1でも若い弟子の方が稽古中に亡くなるという事件が起きました。
まだ10代なのに残念です。
ご両親の心中を察するに悔やんでも悔やみきれないと思います。


以下、私的なこともあるので折り返し。
私は稽古中に亡くなった先輩のお墓参りに参加したことがあります。
そのとき、先輩のご両親も一緒だったのですが、とてもじゃないですけどいたたまれませんでした。
私たちが普段稽古していることは紛れもない殺しの技術であるという意識を改めて持ちました。
武道、武術の技は、いたずらに振り回して良いものではありません。
稽古中もその点をしっかりと認識し、注意したいものです。

稽古の強度

稽古をどの程度厳しくするかという調整はけっこう難しいですよね。
厳しすぎればついていけなくなり、甘すぎれば上達しません。
まぁ、釈迦の伝記にある弦楽器の話みたいなもので、強く張りすぎれば切れてしまうし、緩すぎれば音が出ないわけですよ。


ひとつの指針としては、はじめは緩くして、徐々に厳しくしてゆくという方法があります。
弦を張るにも一気に引っ張るよりは徐々に張ったほうが切れにくいという考え方です。
稽古を続けてゆく中で危ない時期というのは確かにある気がします。
一番危ないのは始めたばかりの頃とそれなりに上達した頃です。
始めたばかりの頃は勝手が分からず、自分の限界を知らないことが多いです。*2
また、それなりに上達した頃は多少なりとも慢心している部分があり、不注意によるミスが起こりやすいです。
こういう時期の稽古はよくよく注意すべきです。

*1:相撲界。

*2:限界を低く見積もる場合と高く見積もる場合の両方がある。