刃は下じゃない

打刀と太刀の違い

よく勘違いしている人が多いんですが、本来日本刀と呼ばれる打刀は刃を上にして腰に差します。
刃を下に向けて佩く*1のは太刀です。
太刀は帯に差すのではなく、下緒がついていてそれに帯を通します。
太刀が一般的に用いられたのは室町時代までの馬上戦で、それ以降は打刀が主になってゆき、用いられる機会は少なくなってゆきました。

抜刀するとき、刃は上向き

稽古したことない人は、腰にある刃を下にして抜刀すると考えている人が多いと思います。
しかし実際、抜刀するときに刃は上か横を向いています。
つまり抜きつけに斬るとき、刃は180度〜90度*2程度”反して”から斬りつけることになります。
少なくとも鞘に納まっているときは回転できませんから、抜けきった状態から”反し”が始まっているはずです。


何が言いたいかというと、世の中には意外と間違ったイメージが氾濫しているという武術的啓蒙。

*1:「はく」と読む。打刀は差すもの。太刀は佩くもの。

*2:私の感覚だと110度くらい。