さくら談義

そろそろ、うちの近所も桜が咲き始めそうになりました。


「花は桜木、人は武士。」


といわれるほど、桜は日本人にとって特別な花です。
「さくら」というのはもともとは「さの神」が乗る鞍という意味があります。
「さ」とは稲のことで「さの神」とは「稲の神」という意味になります。
なので田植えをする女の人は早乙女(さおとめ)というわけです。
「さの神」が木に宿って花が咲き始める頃、昔の日本人は田植えを始めていたんでしょうね。
(地方によるけど今でもそうかも)


桜の木の下には死体が埋まっている。
良く小説や漫画に出てくる話です。
これの元ネタはおそらく”梶井基次郎”の「桜の樹の下には」だと思います。

檸檬
檸檬
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梶井 基次郎
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この中に収録されてます。


そういえば五年前の春、私はとある弓道場で弓をしていたのですが、そのとき見た桜はとてつもなく美しかったです。
外は真っ青な青空で明るい分、道場内は少し薄暗く、的が置いてある安土はしっとりと湿っていて暗い色をしています。
そこに風が吹くと射場の側に生えている満開の桜から花びらが太陽の光を受けてきらきらと輝きながら地面に舞い降りてきます。
花びらはほとんど真っ白な薄紅色をしているので光をよく反射しました。
薄暗い道場からやはり暗い安土をバックにこの花びらを見たとき本当に感動しました。
日本人に生まれて良かったと思いました。
また、弓という形に則った動きをしながらでなければこの感動はなかったと思います。
まさに最高の条件がそろっていたわけです。
(ちなみにそのときの私の的中率は七割五分。まぁ悪くない。)