脳の中の人生感想

脳の中の人生 (中公新書ラクレ)

脳の中の人生 (中公新書ラクレ)

フューチャリスト宣言を読んで、茂木氏の著書を読んでみたくなりました。
というわけで、ささっと読了です。
最近では脳に関する本があふれていますが、その中でも一番しっくりくる本でした。
まだまだ、脳に関して分からないことはたくさんありますが、おぼろげながら自分がどのように行動するべきかを示してくれる感じです。


身体意識の拡張

特に気になったのが次のくだりです。

実際に道具を使わなければ、道具が身体の延長として知覚されることもない。道具を動かすという「運動出力」と、動かした結果としてフィードバックされる「感覚入力」が照合されることによって、ボディ・イメージが拡張されるのである。


すごい!! 思わず頷いてしまいましたよ。
普段の稽古などで常々感じてきたことがまさに説明されています。
私たちはどちらかといえば経験的な直感でこういったボディ・イメージの拡張を感じていますが、こういう風に説明されると改めてそうだったのかと実感することが出来ます。
剣が身体の一部になったかのような感覚は、剣術を稽古している人なら経験したことがあるんじゃないでしょうか?
切っ先が手の延長のように感じて、斬ったり突いたりする動作が手を伸ばすような感覚になることがありますよ。
また、体術などでは相手の身体が、自分の身体の延長に感じることがありますけど、これも身体意識の拡張だったわけですね。


示唆に富んだおもしろい本でした。